今時のコーティング事情 (少し長いですが興味のある方は是非読んで下さい。コーティング選びの参考に・・・) 油性ワックス全盛期から現在の高分子体(ポリマー)樹脂のコーティングが主流になる迄に約30年の歴史が有ります。 初期のコーティングは油性ワックスの撥水のイメージから脱しきれず、日々「水垢・ウオータースポット等との戦い」でした。 やがて「親水性」にする事で雨対策が出来る?かの様な理論がもてはやされましたがこれも確かな防汚力が得られる物でもなく、コーティング剤メーカーやフランチャイズのいい加減なトークに騙され続けて今日に至ったと言うのが現実です。 「撥水、親水」はコーティング面と水の接触角の大小で決まる事はよく言われる事なのでご存じと思いますが、実際に「撥水」「親水」の状態がどの様な状態で接しているかは一目瞭然で「水玉になるか成らないか」の違いです。 どちらにしても汚れの基になる物質を含む水がコーティング面に残存した場合、蒸発後に残る汚れに大差がないのが現実で、重要なのは残った「汚れの基」がコーティング面に「固着するかしないか」即ち「汚れるか、汚れないか」の違いでコーティング剤の良否が決まると言う事です。 汚れないコーティングに必要なのは「撥水」でも「親水」でも有りません。 コーティング面に汚れが「固着しない」事が重要で「汚れない成分が主成分で有る」事が不可欠です。 現在コーティング施工店を経営されている方にも「無機のガラスコーティング」と言う一見強そうなイメージに誘われて、あれこれ数種のコーティング剤を「加盟金やロイヤリティーを払い、設備にも結構お金をつぎ込んだ」方がたくさん居られるようです。 しかしながら「結果」即ちコーティングの効果には施工者もお客様も充分な納得が得られていないのが現実ではないでしょうか。 「無機のガラス」は実際は非常に汚れる物質の代表です。 汚れが付き易い訳はガラスの持つ「接着エネルギーの高さ」に有ります。 コーティングには塗装面を護る犠牲膜としての効果が有るのは当然ですが更にコーティング自体にも汚れや傷を付きづらくする保護膜の効果があればパーフェクトです。 日本の有機珪素(シリコーン)の研究成果は他国を圧倒するレベルに有り、コーティング剤の性能も工夫次第で更なる進化が可能になっています。 現在業務用コーティング剤として使われている物は珪素を原料としたガラス系と石油が原料のフッ素系、それと両者を化学反応で合体させたシリコーン系の3種類です。 シリコーン系もガラス系の一種では有りますが車のコーティングの目的から見ると機能的にはシリコーン系が優れていると私は断言します。 ガラス系の中に完全無機を謳った「シラザン系」のコーティング剤が有りますが、我々施工者から見ると完全無機の良いところが全く解りません。 完全なガラスが汚れや酸化に強いと言いたいのでしょうが、実際は雨によるシミ(ウオータースポット・イオンデポジットなど)は防げません。 しかしながら「完全無機だから酸化しないとか紫外線にも強い」と言う表記が後を断たないのは困った物です。 完全無機のガラス膜なら紫外線は100%透過するだろうし、僅か0.5μm(1/2000mm)の超薄膜では酸化しなくても擦り傷さえ受け止められないのが現実です。又、施工初期の硬化安定に数週間を要し、水やアルコールに溶けやすい(水と化学反応して硬化)事で雨の水滴跡が硬化してデポジット状になる。 現在シラザン系コーティングを施工している多くの施工店ではガラス膜が安定するまでと称してフッ素系等の保護剤をガラス膜の上に施工しています。 従って「ガラスコーティング」とは名ばかりで実際には最後に施工した保護剤の特性がコーティングとしての効果を左右する結果になります。 二三ヶ月後にガラス膜が安定し保護剤が自然に消滅する物も有る様ですが、残った0.5μmの膜だけで如何ほどの保護効果が有るのか疑問です。 「シラザン」は珪素に窒素(無機)を反応させて出来たシロキサンです。(シラザン系が完全無機と言われる訳) 「シリコーン」は珪素に炭素(有機)を反応させて出来る「ポリシロキサン」です。(シロキサン+フッ素などの有機物と結びつく有機基を持つ) シリコーン系が機能的に優れているのは無機と有機を結びつける事が出来る所です。 膜厚も結びつく有機成分により少なくともシラザン系の3倍程度(1.5μm)有り、擦り傷や洗車キズの大半はコーティング内に留める事が可能です。 シリコーンには「接着性」と「離型性」(付けさせない性質)の相反する性質と、水やアルコールには溶けない性質が有ります。(施工初期の雨に強い) 又、表面張力(表面積をなるべく小さくしようとする力)が小さいので表面張力が大きい水が球状に成るのに対し薄く広がる性質があります。 この様な特性をコーティング剤に利用すると水で濡れた塗装面にシリコーンを少量噴霧するだけで薄く広がり水には溶けずに架橋反応(硬化)が起こり被膜形成と同時に塗装面に接着します。被膜形成後は離型性になり他の物質が付着しない表面特性を持つコーティングに成ります。 洗車しながらコーティングが出来る簡易ポリマーはこの様なシリコーンの性質を応用した物です。 完全無機と言われるシラザン系コーティングは単に無機ガラスの被膜が出来るだけで防汚効果を得るには他の力が必要になります。 又、シリコーン系とは比較にならない硬化時間の長さで施工初期の安定性に問題があります。 シラザン、シリコーンは共にO-Si-Oのシロキサン結合を骨格としたポリマーですがシリコーンは更に有機基を持ちフッ素などの化合物成形が可能です。 従来のフッ素ポリマーにもコーティングとしての良いところが有り、ガラスポリマーには硬度が高い特性が有ります。「シリコーン系」であればこの両者の良い所を合体する事が出来ます。 その結果現在は「施工性」が良くしかも高性能な「シリコーン系ガラスのコーティング」が可能になっています。 汚れが付かない物質としてはガラスより断然フッ素樹脂です。 「硬度ではガラス」、「防汚力ではフッ素」と言う現実からこの両方の特性を合体させるのが「ポリシロキサン」すなわち「シリコーン」なのです。 「無機ガラスのコーティング」と言うイメージだけで錯覚させられている「施工店」や一般ユーザーさんが非常に多い昨今ですが「シリコーン」の良さを理解して頂ければコーティング業界にも更なる希望が持てるはずです。 ある有名なシラザン系無機ガラスコーティングのWebで「半導体など各種電子部品にも採用されている高品質のガラスコーティング剤」と紹介していますが事実でしょうか?。確かにicチップの(半導体)製造には薄膜のsiウエハと言われるガラス膜を使いますが、出来た半導体の保護はフッ素樹脂を含む有機のシリコーンが使われているのが一般的です。siウエハだけではエッジがもろく汚れも水洗いでは落ちないのでフッ素コーティングをしているのが事実の様です。 従来のフッ素樹脂コーティングは撥水が強くウオータースポットが付きやすいと言うイメージが強かったのですが、オルガノシロキサンなどのシリコーンに化学合成することで全く新しいフッ素樹脂効果が得られ「ウオータースポットZero」を実現するコーティングが可能となりました。
プロはクリア層内で止まったキズは周りのクリアを寄せながら磨き、最小限の研削で平にします。 塗るだけで「キズが消える」コーティング? 有ると助かりますが うさん臭い 話です。 この業界ではこの様な「素人受け」しそうな物が意外と売れてしまうのが現実で、その度に騙されたと後悔する者が跡を絶たないのは何故でしょうか? ●シラザン系のガラスコーティングのほとんどが知名度に追いつかない効果に危機感を持ち始めています。 効果不足の対策として施工後の仕上げ剤?と称して撥水剤や親水剤を使わせるケースが有ります。 仕上げ剤で効果が好転出来るなら「本当に効いているのは仕上げ剤」で最初に施工したガラス?は「名前」だけです。 |